補聴器の使用が寿命を延ばす?【米カリフォルニア大による論文】

近年の研究では、聴力の低下は認知症やうつ病などのリスクを高め、健康寿命を短くすることが分かってきています。実際、補聴器を使用することで聴力低下の悪影響を軽減し、健康寿命を延ばすことができるという報告もあります。

米南カリフォルニア大学の研究によれば、補聴器を常用することで死亡リスクが24%低下する可能性が示されました。これは約9,800人の成人を対象にした調査で明らかになったもので、補聴器は聴力を補うだけでなく、健康にも良い影響を与えることが示唆されています。

補聴器の使用は、会話や社会参加をサポートし、うつ病や認知症などのリスクを減少させることが期待されています。

しかし、現実には補聴器を使用しない人も多く、補聴器の使用率が低いのが実情です。日本での補聴器の装用率は、難聴者の約15%に過ぎないというレポートもあります。( Japan Trak 2022 より)

聴力の問題は放置せず、適切な治療を行うことが重要です。補聴器は聴力低下による健康リスクを軽減し、健康寿命を延ばす助けとなります。

今回の研究により、自分に合った補聴器を選ぶことや、難聴や補聴器に対する偏見を改善されることで、補聴器の普及促進に繋がる事が期待されています。

参考記事

「補聴器」が寿命を延ばす? ランセットの姉妹誌で研究報告|日刊ゲンダイヘルスケア (nikkan-gendai.com)

補聴器の常用で寿命が延びる?|医師向け医療ニュースはケアネット (carenet.com)